オンラインゲーム 専門用語・略語の正しい理解と使用マナー
オンラインゲームにおける専門用語・略語との向き合い方
オンラインゲームの世界に足を踏み入れると、見慣れない言葉や略語が飛び交っていることに気づくかもしれません。これらは、ゲームをより効率的かつスムーズに進めるために多くのプレイヤーが共通して使用するものであり、ゲームコミュニティにおけるコミュニケーションの一部となっています。しかし、初心者の方にとっては、これらの専門用語や略語が理解の妨げとなり、他のプレイヤーとの交流に不安を感じる要因となる場合もあるでしょう。
この記事では、オンラインゲームでよく使われる専門用語や略語の理解を深め、他のプレイヤーとの間で円滑なコミュニケーションを図るための基本的なマナー、そして用語に関連して起こりうるトラブルとその対策について解説します。用語を正しく理解し、適切に使うことで、オンラインゲームでの交流がさらに快適で楽しいものになるはずです。
なぜ専門用語・略語が使われるのか
オンラインゲームにおいて専門用語や略語が広く使われるのは、主に以下の理由からです。
- コミュニケーションの効率化: 長い説明を一言で伝えたり、状況を素早く共有したりするために、特定の単語や短いフレーズが用いられます。特に協力プレイや対戦など、瞬時の判断が求められる場面では非常に有効です。
- ゲーム文化の一部: 特定のゲームやジャンルにおいて、長年のプレイヤー間で自然発生的に定着した言葉があります。これらを知っていることが、コミュニティへの帰属意識を高めることもあります。
よく見かける専門用語・略語の例
ゲームジャンルやゲームタイトルによって使用される言葉は異なりますが、ここではいくつかの一般的な例を挙げます。
- MMORPG(大規模多人数同時参加型RPG)の場合:
- PT: Party(パーティ)。複数のプレイヤーで協力してゲームを進めるチームのことです。
- Mob: Mobile Object(モバイルオブジェクト)。プレイヤーが操作するキャラクター以外の敵キャラクターやモンスターなどを指します。
- DPS: Damage Per Second(ディーピーエス)。1秒間に与えるダメージ量のことで、主に攻撃役のプレイヤーやスキルの性能を示す際に用いられます。
- Tank: 敵の攻撃を引きつけ、パーティを守る役割を持つプレイヤーのことです。
- Heal: 回復スキルを使用し、パーティメンバーのHP(体力)などを回復する役割を持つプレイヤーのことです。
- FPS/TPS(一人称/三人称視点シューティング)の場合:
- HS: Head Shot(ヘッドショット)。敵キャラクターの頭部を攻撃し、大ダメージを与えることです。
- KD: Kill Death ratio(キルデス比)。プレイヤーが敵を倒した数と、自身が倒された数の比率を示す指標です。
- Rush: 敵陣や特定の地点へ素早く移動し、攻撃を仕掛ける戦術のことです。
これらの用語はあくまで一部であり、実際にはゲームごとに固有の用語が多数存在します。
初心者が用語を理解・習得する方法
専門用語や略語に戸惑うのは自然なことです。以下のような方法で、少しずつ慣れていくことができます。
- ゲーム内情報やチュートリアルを確認する: ゲームによっては、基本的な用語集が用意されている場合があります。
- 非公式のゲーム攻略Wikiやファンサイトを参照する: 多くのゲームには熱心なプレイヤーが作成した情報サイトがあり、専門用語集が掲載されていることが多いです。
- 他のプレイヤーに質問してみる: コミュニティ内の信頼できるプレイヤーや、初心者向けのチャットチャンネルなどで、分からない用語の意味を尋ねてみるのも一つの方法です。ただし、相手の状況やタイミングに配慮し、丁寧な言葉遣いを心がけることが大切です。
専門用語・略語を使用する際のマナー
自分が用語を理解してきたとしても、使う際には相手への配慮が重要です。
- 相手の理解度を考慮する: 相手が初心者マークをつけている場合や、会話の様子から専門用語に慣れていないと感じられる場合は、できるだけ一般的な言葉を使うか、用語の説明を添えるようにします。「PT募集します(パーティメンバーを募集します)」のように補足すると親切です。
- 不確かな意味の用語は使わない: 意味を正確に理解していない用語を安易に使うと、誤解を生んだり、意図しないニュアンスで伝わったりする可能性があります。
- 略しすぎに注意する: 一部のプレイヤーにしか通じないような過度に省略された言葉や、内輪でしか通用しないような表現は、他のプレイヤーを混乱させてしまいます。
- ネガティブな文脈での使用を避ける: 特定の用語(例: Noob - 初心者・未熟者を指すスラング)には、侮辱的な意味合いを含むものがあります。このような言葉を安易に使うと、相手を傷つけたり、煽り行為とみなされたりする可能性があります。ポジティブまたは中立的な文脈でのコミュニケーションを心がけましょう。
用語に関連するトラブル事例と対策
専門用語や略語の使用は便利である反面、トラブルの原因となることもあります。
事例1: 相手が使う用語が分からず、指示や会話についていけない
原因: 自身の用語知識不足、あるいは相手が初心者への配慮なく専門用語を多用している。 回避: 事前に一般的な用語を調べておく、プレイするゲームの主要な用語集に目を通しておく。 対応: 焦らず、正直に「すみません、その言葉の意味が分からないのですが教えていただけますか」と丁寧に尋ねる。難しい場合は、「初心者なので、もう少し分かりやすく説明していただけますか」と伝えることも有効です。無理に分かったふりをせず、正確な情報を得ることが、チームやパーティでのミスを防ぐためにも重要です。
事例2: 用語を間違えて使用し、意図しない指示を出してしまったり、誤解されたりする
原因: 用語の意味を正確に把握していないまま使用した。 回避: 意味が不確かな用語は、確認するまで使わない。使う前に一度意味を調べ直す。 対応: 間違いに気づいた時点で、速やかに「申し訳ありません、先ほどの〇〇という言葉、意味を間違えていました」と正直に訂正し、謝罪します。間違いを認める姿勢は、かえって信頼を得ることにつながります。
事例3: 用語を使った煽りや、攻撃的なコミュニケーションを受ける
原因: 一部の悪意あるプレイヤーが、用語を悪用して相手を挑発したり、侮辱したりしている。 回避: 相手の言葉に過剰に反応せず、冷静に対応する。そういった言葉を使うプレイヤーとは距離を置く。 対応: そのような言葉は無視するのが最も効果的な場合が多いです。反応すると相手を増長させてしまう可能性があります。悪質な場合は、ゲームの報告機能を利用し、運営に通報することを検討します。個人的な言い争いに発展させないことが重要です。
まとめ
オンラインゲームにおける専門用語や略語は、ゲームをより深く楽しむための便利なツールであり、コミュニティの一体感を育む要素でもあります。初心者であるうちは、これらの言葉に戸惑うこともあるかもしれませんが、それは決して恥ずかしいことではありません。少しずつ学び、理解を深めていく過程もオンラインゲームの楽しみの一つと言えます。
大切なのは、用語を正しく理解しようとする姿勢と、他のプレイヤーへの配慮を忘れずに使用することです。分からないことは素直に尋ね、使う際には相手に伝わるかを確認する。そして、万が一用語に関連するトラブルに遭遇した場合は、冷静に対応し、必要であればゲーム運営のサポートを利用することも考えましょう。
専門用語を上手に活用し、マナーを守りながら、オンラインゲームでの快適で円滑なコミュニケーションを楽しんでください。